株式会社東京ドーム

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「新機軸」のその先を見据え─
持続的な成長に向け、グループの新しい軸と
なる事業の立ち上げに注力します

代表取締役社長 執行役員

長岡勤

中期経営計画「新機軸」の初年度となる2017年1月期の振り返りと総括

 中期経営計画「新機軸」(2017年1月期~2021年1月期)では、当社グループが認識する8つの経営課題を総合的に解決するため、8つのアクションプランを策定しました。5年間をかけ、それらをひとつずつ着実に実行していくことで目標の達成を目指しています。

 前中期経営計画「起動」(2012年1月期~2016年1月期)では、初年度に遊戯機器の事故と震災があり、苦しい状況からのスタートとなりましたが、最終的には一定の利益が確保できるまでの体制を構築することができました。

 「新機軸」は、「起動」の期間中に得られた成果・認識された課題を引き継ぎ、2021年のその先を見据え、利益基盤を盤石にしていくことを目指して策定しました。重要なのは将来にわたり成長するための基礎固めであり、そのために投資を増やし、新しいことに積極的にチャレンジしています。

 「新機軸」初年度である2017年1月期は、期初の業績予想を上回ることができましたが、まだ「新機軸」で設定した5年後の最終目標に近づいたという意識はありません。今は、どうやって新しい軸をつくっていくかということに注力している段階であり、その意味では、初年度としていいスタートが切れたという印象をもっています。

2017年1月期業績ハイライト

単位:百万円(%表示は対前期増減率)

売上高 営業利益 経常利益 親会社株主に帰属する
当期純利益
87,761
(2.2%)
12,589
(△1.2%)
10,771
(1.3%)
6,635
(45.5%)

経営課題の解決のための8つのアクションプランについて、当期の進捗状況、また2年目以降に想定される取り組み

①東京ドームシティに、将来にわたり持続的に価値をもたらすための環境整備に取り組みます

 少子高齢化、人口減少が進む日本ですが、東京ドームシティは都心という好立地にスタジアム、遊園地、ホテル、温浴施設など多彩な施設を擁し、今後も成長のポテンシャルは高いと考えています。東京ドームシティの価値を高めて収益性の向上につなげるため、施設の更新、サービスレベルの向上などハード・ソフト両面での環境整備を進めています。

 東京ドームについては、特に野球観戦環境の向上を図り、3年間・約50億円をかけてオープン以来最大となる大規模リニューアルに取り組んでいます。これまでに座席の改修、アリーナ照明のLED化、最新音響システムの導入などを完了し、今後は東京ドーム周辺の環境整備などを進める予定です。

 2018年1月期の大きな取り組みとしてはSpa LaQua(スパ ラクーア)の改修があります。2003年のオープン以来初となる大規模リニューアルで、2017年9月の実施を予定しています。

 新しい施設では、ボウリングの楽しみ方の新提案としてバーカウンターを併設したCuBAR LOUNGE(クーバーラウンジ)、遊べるギャラリーとしてGallery AaMo(ギャラリーアーモ)を企画し、2017年春にオープンしました。どちらも滑り出しとしては順調です。

 東京ドームシティ内のバリアフリー化についても、東京ドーム内も含め少しずつ進めています。すでにバリアフリーとして動線は確保できていますが、まだお身体の不自由な方、お子様を連れたお母様など誰にでも優しい、完全なバリアフリーかというと、そうではない部分も残っています。それらを今後の検討事項として、最終的にはすべてのお客様にとって優しいバリアフリー化の実現を目指しています。

【2016年1月から3年間】 東京ドームのリニューアルが進行中

1988年の開業以来初となる大規模改修を実施。すでに高付加価値シートの新設、アリーナ照明のLED化、最新音響システムの導入、温水洗浄機能付便座の装備などを完了しました。今後は東京ドーム建物外構部の整備を進めていきます。

【2017年10月予定】 Spa LaQua リニューアル

2003年開業以来初の大規模改装を実施します。これまで以上に温浴を楽しんでいただくために、檜風呂、炭酸泉を新設するほか自宅のリビングのようにくつろげる空間を演出することで、より多くのお客様にご利用いただくことを目指します。

【2017年3月】 CuBAR LOUNGE オープン

東京ドームボウリングセンターの一部をリニューアルし、クラシックな空間でおしゃれな大人の遊び場としてのボウリング場を演出します。待ち時間にも利用できるバーカウンターも用意しました。

【2017年4月】 Gallery AaMo オープン

AaMoの「A」は「Art」「Amusement」の略、「aMo」は「and More」の意。「大人のための遊べるギャラリー」として20~30代をメインターゲットにさまざまなジャンルの催事を展開していきます。

②熱海後楽園ホテルのリニューアルに取り組みます

 熱海後楽園ホテルでは、2016年8月をもってみさき館・ホール棟の営業を終了し、その跡地となる敷地に、宿泊施設と日帰りの温浴施設をミックスした複合型リゾート施設の建設に取り組んでいます。総事業費は約110億円で、「新機軸」の期間内では最大の投資となります。

 熱海の魅力は海と新鮮な海産物、そして温泉です。ここ数年は新幹線で東京から1時間の身近なリゾートとして、観光客が増加しています。また熱海は伊豆半島への通り道にあたり、行き帰りに立ち寄ることができるなど日帰り需要も十分期待できる立地です。

 当社グループは熱海で50年にわたりホテル営業を続けており、ブランドも定着していることから、旅行者のニーズを捉えた施設運営により十分採算性は確保できると考え、投資に踏み切りました。新施設は2019年春の開業を予定しています。

【2019年春予定】 熱海に複合型リゾート施設をオープン

当社グループがホテル運営の実績を持つ熱海に、約110億円を投じ複合型リゾート施設を建設します。2016年にリニューアルした既存のタワー館とともに、宿泊施設では年間15万人、温泉施設では年間25万人の集客を見込んでいます。

③東京ドームシティ外において、新規事業の追求および新規顧客の獲得を目指します

 新規事業の追求として、東京ドームシティで長年にわたり蓄積してきた施設・イベントに関するノウハウの商品化・外部展開に取り組んでいます。例えば、東京ドームの人気イベントコンテンツのひとつである「全国ご当地どんぶり選手権」は香港での開催が実現し、企画として初の海外進出となりました。また、2017年4月にオープンしたGallery AaMoでは催事を1~3ヶ月ごとに入れ替えて展開する予定でおり、成功した企画を外部展開できる可能性は高いと感じています。

 さらに、株式会社ショーケース・ティービーと共同開発したAudio guide Q(オーディオガイド キュー)もあります。美術館などで使用する音声ガイドをスマートフォンのアプリで提供するサービスで、TeNQなど東京ドームシティ内で活用してきましたが、2017年4月に「星の王子さまミュージアム 箱根サン=テグジュペリ」に導入され、外販を実現しました。今後も全国の博物館や美術館、観光施設向けに積極的に拡販していきたいと考えています。

【2016年7月】Audio guide Q 提供開始

ミュージアムなどで使用するオーディオガイドをスマートフォンのアプリで利用できるようにするシステムを企画開発。多言語の音声登録が可能で、訪日外国人来場者へのサービス需要を見込み、拡販に取り組んでいます。

④東京ドームシティ外の既存事業の事業性の維持と向上を目指します

 当社グループでは、これまで東京ドームシティ事業を含む7つのセグメントで事業を展開してきました。しかし札幌事業として行っていた東京ドームホテル 札幌の運営から撤退したため、今後の当社グループの事業構成は6セグメントとなります。

 東京ドームホテル札幌は、物件賃貸により1988年から営業を続けてきた事業で、「新機軸」のスタート時点で撤退の予定はなく、収益向上を目指していました。しかし、契約主との賃貸借契約交渉の結果、残念ながら2017年4月に営業を終了することになりました。

 流通事業で展開するセレクトコスメショップshop inについては、このところ業績不振の状況が続いています。shop inは一定のブランドを構築できていると思いますが、流通事業として強力なブランドを確立する必要があるとの認識から、これまで長く続けてきた単一ブランドによる展開を見直し、新しいブランドの開発により複数ブランド戦略への転換を進めています。その第1弾としてCrème et Rougeという新ブランドを立ち上げ、2017年4月に大阪梅田に1号店をオープンしました。

【2017年4月】 Crème et Rouge オープン

shop inに次ぐ流通事業の新業態として、大阪府・阪急梅田駅併設の「阪急三番街」に1号店をオープン。30代以上の“オトナ女子”をイメージターゲットに美容ニーズをオールインワンでサポートします。

⑤グローバル化・ユニバーサル化を視野に入れた環境整備に取り組みます

 近年は東京ドームシティでも訪日外国人のお客様が急増しており、お客様を受け入れるための体制整備の一環として案内看板、サインの多言語化を進めています。また、ホームページは海外に向けての情報発信、多言語化を目指しリニューアルを進めているところで、2018年1月の公開を予定しています。

 また、東京ドームシティを中心とする周辺地域のブランディングを図り、地域観光WebマガジンとしてStroll Tips(ストロールティップス)の配信を開始しました。東京ドームシティ内の施設をはじめ神保町、神楽坂、白山、湯島といった近隣地域の情報を海外向けに発信しています。

【2016年9月】Stroll Tips 配信開始

東京ドームシティを中心に周辺地域の文化・観光・レジャー施設、飲食店を日英中の3ヶ国語で紹介するWebマガジン。地域を示すシンボルマーク「神神白湯(しんしんはくとう)」をつくり地域全体のブランディングを目指しています。

⑥いつも安全・安心な環境を保ち続けることに取り組みます

 「起動」の初年度に事故・震災を経験したこともあり、安全面に対しては、特に安全文化の醸成に最優先で取り組んできました。安全マネジメントシステムを構築し、全社的な事故対応、災害対応のレベルアップに努めています。

 安全に近道はなく、不断の訓練と従業員への意識づけがすべてです。一定レベルに達している安全の意識を、さらなる高みに引き上げていく必要性を感じています。安全意識の共有化を図ることで、部署間のレベル差をなくし、従業員の意識を高い水準に導きたいと感じています。テロ・感染症・地震などあらゆるリスクを想定して各種アクションプランを用意し、実践的な訓練を全社・各部署で定期的に実施し、万一の事態に備えています。

⑦人的資源の獲得・育成に取り組みます

 人材確保については、長く働き続けることができる職場環境づくりがポイントと考えています。そのためにトレーナーを養成する「教育センター室」を2017年4月に新設しました。専門的なトレーニングを受けた社員たちが各部署・グループ会社に戻って新入社員・アルバイトを教育することで、離職率の低下につながると考えています。これは、東京ドームシティ アトラクションズ内で1年前にスタートした取り組みですが、実際に成果が表れているところから全社展開を決定しました。

 また、専門職社員制度も2017年4月にスタートし、21名の専門職社員1期生が誕生しました。アルバイトで入社しても専門職社員になれるルートが整備されたことで、モチベーションアップにつながることを期待しています。

⑧グループ経営体制の再構築に取り組みます

 2017年4月に組織改定を行い、「マーケティング本部」を新設しました。これまでマーケティングは各部署で行っていましたが、今回の改定により、これからは東京ドームシティとして共通の方向性のもとマーケティング戦略を策定・推進していくことになります。

10年後、20年後の将来の東京ドームグループと「新機軸」の先にある成長の方向性

 当社グループでは現在、東京ドームシティ事業の売上が全体の8割弱を占める状況です。もちろん東京ドームシティにはまだ成長性があり、今後も収益は伸びると確信しています。しかし、グループが将来にわたり大きく成長していくことを目指すなら、東京ドームシティにとどまらず、外に向かって拡大していかなければ可能性は広がりません。

 東京ドームシティの価値向上・利益拡大の取り組みは当然ひとつの軸として進めていきますが、もうひとつの新しい軸として、東京ドームシティ以外の事業を拡大していく必要があります。

 その方針のもと、今注目しているのが流通事業、さらに、その他の事業としてグループ会社が展開しているスポーツクラブ運営・施設管理の受託事業です。施設管理・運営受託と東京ドームシティでのイベント企画のノウハウを組み合わせ、トータルソリューションとして広くサービスが提供できるようになれば、東京ドームシティ事業とそれ以外の5事業のバランスは少しずつ是正され、グループの拡大に寄与すると考えています。

東京ドームグループとステークホルダーの関わり、そして社会の中で果たす役割

 当社グループの経営理念は、“私たちは、人と ひと とのふれあいを通して、お客様と「感動」を共有し、豊かな社会の実現に貢献します” です。私は、ここにある「感動」の共有こそ、当社グループが社会に対して担うべきテーマだと考えています。私たちは、どの部署・グループ会社に所属しようとお客様はもちろん、地域社会、ビジネスパートナー、株主をはじめとするすべてのステークホルダーの皆様と感動を共有するために、日々継続して施設の新設・運営、環境の改善を行っています。

 私たちが関わる全ての人々と感動を共有するというビジョンのもとにグループで働く全員の力を結集すること、そして、その力で「新機軸」の目標達成を目指すこと──これが経営者である私に与えられた使命だと考え、日々業務に取り組んでいます。

 どうぞ、今後ともご支援ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

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